子どもたちとお寿司。 神奈川新聞記事より

2013年4月9日

子どもたちに握りたてのすしが振る舞われた食事会=横須賀市長瀬のしらかば子どもの家

 すし職人が児童養護施設に出張し、子どもたちの入学祝いに握りたてのすしを振る舞う食事会が6日、横須賀市長瀬の「しらかば子どもの家」で開かれた。子どもたちは大人たちの温かな思いが込められた味を、おなかいっぱい堪能した。

 同施設ではさまざまな事情から保護者と暮らすことができない2歳から高校生までの35人が生活。衛生管理の難しさもあり、施設では生の魚をなかなか食べさせてあげられなかった。今春、小学校に3人、中学に2人、高校に2人が進学した機会に、市内ですし店「にぎり一丁」を展開する日本水産観光(同市三春町)が協力。職人2人が出張し、「みんなで楽しみながら、たくさん食べてほしい」と70食分を無償でプレゼントした。子どもたちはマグロやサーモン、ホタテといった好みのネタを次々と注文。目の前で握ってくれるとあって、「へい、マグロ1丁」と室内に響く職人さんの掛け声も楽しんでいた。この日、真新しい中学の制服姿を披露した男の子(12)は、「握りたてはやっぱりおいしかった。中学では部活を頑張りたい」と笑顔で話した。

 食事会の前には、施設を支援する法人や個人でつくる後援会の益子健一会長(68)が「夢と希望を持って、友達をたくさんつくってほしい」とお祝いのメッセージと記念品を贈った。施設長の青木利明さん(63)は「社会との関わりが子どもたちの成長につながる。多くの大人たちが支えてくれているんだということが伝わったと思う」と感謝していた。